先端巨大症と再生医療|標準治療と幹細胞という選択肢

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先端巨大症とは

先端巨大症は、脳の下にある「下垂体」という小さな器官から、成長ホルモンが必要以上に分泌される病気です。多くの場合、下垂体にできる良性の腫瘍が原因になります。

成長ホルモンは、子どもの成長だけに関係するホルモンではありません。大人になってからも筋肉や骨、糖や脂質の代謝などに関わっています。

先端巨大症では、成長ホルモンが増えることで「IGF-I」という物質も増えます。その状態が長く続くと、手足が大きくなる、指輪や靴のサイズが合わなくなる、眉の上やあごが出る、唇や舌が厚くなるといった変化が少しずつ現れます。本人や家族でも変化に気づきにくく、診断まで時間がかかることもあります。

見た目の変化だけではありません。頭痛、汗をかきやすい、手足のしびれ、関節の痛みなどが現れることもあります。

さらに、成長ホルモンが高い状態が続くと、糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、心臓の病気などを合併することがあります。そのため、ホルモンの値だけではなく、全身の状態を確認しながら治療することが大切です。

診断では、血液中の成長ホルモンやIGF-Iを調べ、MRIなどで下垂体の腫瘍の大きさや広がりを確認します。

つまり先端巨大症は、「手足や顔が大きくなる病気」だけではありません。長く続くホルモンの異常が全身へ影響するため、できるだけ早く状態を把握し、その後も長く向き合っていく必要がある病気です。

腫瘍を取り除き、成長ホルモンを抑えることが標準治療の中心

先端巨大症では、原因となる下垂体腫瘍を取り除く手術が治療の中心です。

一般的には、鼻から下垂体へ入り、腫瘍を取り除く手術が行われます。腫瘍を十分に切除でき、成長ホルモンとIGF-Iが正常になれば、症状や合併症の改善が期待できます。

ただし、すべての患者さんで腫瘍を完全に取り除けるわけではありません。

腫瘍が大きかったり、重要な血管などの近くまで広がっていたりすると、安全のために一部を残す場合があります。また、手術後も成長ホルモンやIGF-Iが高い状態が続くことがあります。

このような場合には薬を使います。

代表的なのが、成長ホルモンの分泌を抑える「ソマトスタチン受容体作動薬」です。また、成長ホルモンが体に働くのを抑える「ペグビソマント」や、患者さんによってはドパミン作動薬が使われます。現在は複数の薬を、腫瘍の状態やホルモン値に合わせて選べるようになっています。

必要に応じて、残った腫瘍に対する放射線治療が検討されることもあります。

こうした治療によってホルモンを良好に管理できれば、先端巨大症に伴うさまざまな問題を減らすことが期待できます。一方、薬を長く続ける必要がある人もいます。

また、ホルモンの状態が落ち着いたあとも、関節の痛み、手足のしびれ、骨や筋肉の変化などが残る場合があります。

「腫瘍の治療は受けたけれど、以前のような体調に戻らない」「薬を続けながら、ほかに体を支える方法はないのか」と感じる方もいるでしょう。

先端巨大症では、腫瘍とホルモンをコントロールすることに加えて、長く続いた病気による全身への影響にも目を向けることが重要です。

骨髄由来MSCや培養上清液という再生医療の考え方

国際幹細胞普及機構では、再生医療の中でも間葉系幹細胞(MSC)、特に骨髄由来MSCに注目しています。

MSCとは、骨髄や脂肪などに存在する細胞です。さまざまな細胞へ変化する性質だけではなく、周囲へ物質を放出し、炎症や免疫、組織を取り巻く環境に働きかける性質が研究されています。

一方、先端巨大症では、再生医療の役割を正しく分けて考える必要があります。

先端巨大症の原因は、多くの場合、成長ホルモンを過剰に作る下垂体腫瘍です。骨髄由来MSCが、この腫瘍を取り除いたり、成長ホルモンの過剰分泌を直接止めたりする標準治療として使われているわけではありません。

そのため、手術や薬物療法など、現在必要な標準治療を再生医療に置き換えるという考え方ではありません。

当機構では、先端巨大症によって長く影響を受けた体の状態まで含めて考え、追加で相談できる選択肢があるかを整理することを大切にしています。

国内では、骨髄由来MSCを培養した際に得られる「培養上清液」を用いた医療が、自由診療として提供されている例があります。

培養上清液とは、幹細胞そのものではなく、MSCを培養している間に細胞から放出されたさまざまな成分を含む液体です。

ただし、こうした培養上清液を使った医療は、先端巨大症に対して国が承認した標準治療とは扱いが異なります。

また海外では、他人から提供されたMSCを使う「他家MSC」による治療も、疾患によっては臨床で利用されています。しかし、これも先端巨大症に対する標準治療という意味ではありません。

先端巨大症についても、当機構には改善の報告が寄せられています。ただし、腫瘍の状態、ホルモン値、合併症、これまでの治療は一人ひとり異なります。

そのため、「幹細胞を使えば先端巨大症が改善する」と一律に考えるのではなく、現在の状態を確認したうえで選択肢を整理することが大切です。

ホルモンだけでなく、現在困っている症状まで整理する

先端巨大症の治療を考えるときは、「腫瘍があるか」「成長ホルモンが高いか」だけを確認すればよいわけではありません。

下垂体腫瘍はどのくらい残っているのか。成長ホルモンやIGF-Iは現在どの程度なのか。どの薬を使っているのか。ほかの下垂体ホルモンに異常はないのか。

こうした情報を確認することが重要です。

さらに、糖尿病や高血圧、睡眠時無呼吸症候群、心臓の病気、関節障害などの合併症も確認します。現在では、先端巨大症そのものだけでなく、こうした合併症を適切に管理することも治療の重要な目標とされています。

国際幹細胞普及機構では、患者さんの病名だけを見て再生医療の可否を判断するのではありません。

血液検査やMRIなどの検査結果、これまでの手術、現在使っている薬、残っている症状、ご本人の希望などを整理します。

たとえば、現在も成長ホルモンが高い状態であれば、まず腫瘍やホルモン過剰への治療が重要です。

一方、標準治療によってホルモンが安定しているものの、関節や筋肉など全身の不調が残っている方では、「今困っていることは何か」という視点から追加の選択肢を考えることができます。

当機構では、そのうえで骨髄由来MSCや培養上清液を含む再生医療について情報を整理し、実際に相談できる医療の選択肢へおつなぎすることを重視しています。

再生医療を検討することは、現在の治療を否定することではありません。

治療方針や期待できる変化は、患者さんそれぞれの病状によって異なります。現在治療を受けている方は、主治医にもご相談いただきながら、再生医療についての情報を整理していくことが大切です。

先端巨大症の治療をご検討の方へ

先端巨大症は、腫瘍とホルモンの治療だけでなく、長く続いたホルモン過剰による全身への影響とも向き合う必要があり、患者さんやご家族が将来に不安を感じやすい病気です。

「治療を続けているけれど、残っている症状も何とかしたい」

「今の治療以外にも、自分に合う方法があるのか知りたい」

「再生医療について情報を知りたい」

そういった方に対して、治療の選択肢や情報を整理することは非常に重要です。

当機構では、再生医療に関する情報提供および相談対応を行っております。
ご相談をご希望の方は、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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