幹細胞とは?2つの能力「分化能」「自己複製能」について解説

私たちの体は数多くの細胞によって形成され、その数は37兆個とも60兆個とも言われています。

その細胞が持つ主な能力は:

  • 同じ細胞をつくる自己増殖能力
  • 栄養分を取り込み新陳代謝を行う能力
  • 外部の変化に合わせて内部環境を調節する能力

ほとんどの細胞は企業がさまざまな組織で成り立っていることと同じように、それぞれの細胞が自身の役割を担っています。

一例を挙げて解説していきましょう。

「手」にはどのような細胞があると思いますか?

まず、手の表面を覆う皮膚の細胞(紫外線の刺激からメラニン色素をつくることで下層の細胞の核を守るメラニン細胞など、バリア機能を持った細胞)があり、その下には皮下組織として脂肪や筋肉の細胞、さらに血管や神経、骨などを構成する細胞があります。

そして先述のとおり、それぞれの細胞には人が生きていくうえで必要な役割が与えられています。

例えば、「血管」の中には肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割を持つ赤血球や、細菌やウイルスなどの異物を防御する役割を持つ白血球などの血液細胞が存在し、それぞれの役割を果たすために活動しています。

「肝臓」はどうでしょうか?

肝細胞の役割は、身体に必要なタンパク質の合成、栄養の貯蔵、外から入ってくる物質の解毒・排出などを行っています。

したがって肝臓の機能が劣化してくるとタンパク質の合成・貯蓄能力が低下し、倦怠感を招き、解毒・排出作用が衰えることから有害物質が体内に留まり、肝炎や肝硬変、肝がんといった病気になってしまいます。

つまり、細胞が与えられた役割を果たしていることが健康を維持する大前提となっているわけです。

当然のように、筋肉細胞に肝臓細胞と同じことは望めません。

それも不可能ではないですが、筋肉には筋肉の、肝臓には肝臓の役割があり、専門の仕事をしているのです。

例えばエステティシャンがパティシエのように美しいケーキを作ることは難しいですよね?

ケーキ作りはできるかもしれませんが、プロのようにうまくいきません。逆に、パティシエがエステティシャンと同じように美容エステの施術やマッサージを提供することは難しいでしょう。

細胞も同じです。それぞれ与えられた役割があり、その道のプロであり、職人なのです。

細胞がそれぞれの役割を果たして働いているおかげで、私たちは生きているのです。

目次

幹細胞って何だろう?

ヒトは精子と卵子が結びついた、たった1つの細胞「受精卵」から始まります。

この時、この細胞「受精卵」には「役割」が決まっていません。逆に言えば何にでもなれる細胞であり、細胞分裂を繰り返して、どこかのタイミングで1つ1つの細胞が役割を持つことになります。

幹細胞が持つ2つの能力

  1. 分化能⇨「変化(へんげ)の術」
  2. 自己複製能⇨「分身の術」

という能力です。では具体的に見てみましょう。

分化能とは

役割が決まっていない細胞の役割が決まり、例えば脳や心臓、肺や骨、筋肉など、それぞれの器官に特化して役割を果たすための細胞になることを「分化」と言います。

例えば、肝臓の細胞になるよう命令を受けた細胞は、肝臓の細胞になるための遺伝子を使って肝臓を構成する細胞に変化します。このことを「肝臓細胞に分化した」と言います。

自己複製能とは

自己複製能とは、自分と全く同じ能力をもった細胞に分裂することができる能力です。

何度分裂をしても基本的に自分とまったく同じ特性をコピーとして残しておく能力を持っています。

また、1つの幹細胞が2つに分裂するとき、2通りの分裂の仕方があります。

A パターン:
1つはある器官の特別な役割をもった細胞に分化し、もう1つは幹細胞のままで元々の性質を維持するケース

B パターン:
2つに分裂しても両方が幹細胞として元々の幹細胞の性質を維持するケース

このように幹細胞は2通りのパターンで分裂と増殖を繰り返し、私たち「ヒト」を形作っていくわけです。

幹細胞の分類

幹細胞は3つの種類に分けられます。

【全能性幹細胞】

人体を構成するすべての器官や組織にもなれる能力「分化全能性」を持つ幹細胞です。

この幹細胞は、受精卵から 3 回分裂した細胞(8 細胞期)までの細胞が持つ能力と言われています。まさにファンタジー世界の「全能の神」のような存在ですね。

【多能性幹細胞】

全能性ほどの能力はありませんが、すべての器官・組織になることができる幹細胞です。

全能性幹細胞は器官や組織まで形作ることができますが、多能性幹細胞は固有の細胞になることはできますが、「個体」を形作ることまではできません。

【組織幹細胞】

すでに人体が形成され、それぞれの器官に存在している幹細胞のことです。

造血幹細胞は血液系の細胞になることができ、神経幹細胞は神経系の細胞になることができます。

この組織幹細胞のおかげで古くなった細胞が役割を終えても、新しい細胞が補完されて健康を維持できる状態になるということです。

幹細胞による再生期間

最初にも述べましたが、私たちの身体のすべての組織は細胞からできています。

そして常に代謝を繰り返し、失った細胞を補うために新しい細胞を作っています。

失われた細胞は、幹細胞の分裂・増殖によって再生されます。

その期間は器官によってまちまちですが、例えば表皮角化細胞の場合 20 〜 30 日で再生が行われ、お肌のターンオーバーと呼ばれるものがこれにあたります。

ヒト幹細胞とは?

「ヒト幹細胞」とは美容業界でのみ使われている俗称であり幹細胞の総称です。

医療業界では細分化された脂肪由来、臍帯由来、骨髄由来幹細胞と区分けされた言い方をします。

「由来」とは、幹細胞の採取元を指し示すもので、「脂肪由来」とあれば「脂 肪」から、「臍帯由来」とあれば「臍帯」から採取してきた幹細胞ということです。

現在、美容や医療で最も使われているのは、人の皮下脂肪から採取した脂肪由来の幹細胞です。

この脂肪由来幹細胞が多く利用される理由は、採取が容易であり、コストが安価なためです。

これらの幹細胞を培養する時に使われる培養上清液には、アンチエイジングや治療に効果的な生理活性物質(サイトカイン)などがたくさん含まれています。(培養上清液については別項で詳細します)

当機構の役割とは?

当機構は、『様々な病気やケガ、体の悩みなどを抱えているにも関わらず、これまでの医療では解決できなくて苦しんでいる』という方々に、幹細胞の力によってその問題を解消するだけでなく、より豊かな人生を歩んでほしいという願いを持っております。

幹細胞は人類の未来への大きな希望ですので、今後一人でも多くの人に幹細胞の情報を知っていただき、活用していただきたいと思っています。

当機構は、そのために当サイトを通して、できる限り多くの情報を提供していきます。

また、今、目の前の問題を抱えている方からご相談をいただいた際には、少しでもお力になれるよう、個別でその方に応じた情報を提供をさせていただきます。

当機構の詳しい役割や、幹細胞に関する最重要事項はこちらの記事で解説しています。

是非一度ごらんください。

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