ヒトの細胞の数
まずはヒトの細胞の数から見てみましょう。
私たちの身体は、たくさんの細胞がひとかたまりになっていますが、元は受精卵というたった1つの細胞から始まっています。受精卵は倍々に増えて胎児となり、生まれた時は約3兆個と言われています。
その数は成長とともに増えていき、20歳では60兆個(数値には諸説あります)ほどになりますが、20歳をピークにだんだんと減少し、40歳では52兆個、60歳で42兆個ほどになってしまいます。
では、1個の細胞が60兆個の細胞になるにはどれくらい分裂しなくてはならないのでしょうか。
正解は、46回です。
46回分裂すれは、70兆個を越えます。
1個の細胞が分裂し2個になり、2個が分裂して4個になり、といって46回分裂しただけで、70兆個以上になるのです。すごいですね。
こうしてそれぞれの細胞は、私たちが生きていく上でとても大切な役割を与えられ、働いてくれています。
ヒトの幹細胞の数
細胞の数は20歳まで増え続けますが、その中でも幹細胞の占める割合は年齢とともに減っていきます。
生まれた時には60億ある幹細胞ですが、20歳では10億、40歳で3億、60歳ではたったの1.5億まで減少してしまいます。
間葉系幹細胞の数
再生医療に重要な間葉系幹細胞ですが、その割合は年齢とともにさらに減少します。
赤ちゃんは
60億(100%)
→10代で
6億個(10%)
→30代で
2.4億 (4%)
→ 50 代で
1.5億 (2.5%)
→ 80 代で
0.3億 (0.5%)
といったように、かなりの数が失われてしまうのです。
間葉系幹細胞とは?
ここで改めて間葉系幹細胞を説明しましょう。
間葉系幹細胞とは、ヒトが持つ幹細胞の1つで、骨髄や脂肪、皮膚など全身のさまざまな場所に存在する多能性幹細胞です。
本来は脂肪・骨・軟骨に分化できる細胞と定義されていますが、この他の組織細胞(肝細胞、神経細胞など)へも分化することもできます。
iPS 細胞と間葉系幹細胞の違い
iPS 細胞との違いとしては、間葉系幹細胞には免疫調整機能という機能が備わっているという点が挙げられます(免疫調整については詳しくは別の項目で説明します)。
自分以外の人間の iPS 細胞から作製した臓器を移植すると、拒絶反応が起こってしまいます。
一方、間葉系幹細胞には、免疫調整機能があるため、移植しても拒絶反応は起きません。
また、間葉系幹細胞を用いた治療では、iPS 細胞で問題となっている腫瘍化のリスクも少ないという利点があります。
ES 細胞と間葉系幹細胞の違い
iPS 細胞が発見される以前には、多能性幹細胞として ES細胞が知られていました。
しかし、先にも述べましたが、この細胞は赤ちゃんになるための受精卵を壊して作製する必要があったため、倫理的な問題があり、研究を進めるにしても慎重な対応が求められています。
間葉系幹細胞は、このような倫理的問題もなく、iPS 細胞のような拒絶反応の問題などもありません。そのため、すでに治療が実用化しています。
美容分野で実用化の進む培養上清液
幹細胞の数は年齢とともに減少すること、またその中でも再生医療にとって重要な間葉系幹細胞の割合はもっと減ってしまうことが理解できましたでしょうか?
国内では、脂肪由来間葉系幹細胞など、再生医療で幹細胞に焦点を当てた研究が進んでいます。
そして近年、美容分野では、幹細胞の培養後に細胞を取り除いて得られる液体(培養上清液)の有効性に注目が集まっています。
当機構の役割とは?
当機構は、『様々な病気やケガ、体の悩みなどを抱えているにも関わらず、これまでの医療では解決できなくて苦しんでいる』という方々に、幹細胞の力によってその問題を解消するだけでなく、より豊かな人生を歩んでほしいという願いを持っております。
幹細胞は人類の未来への大きな希望ですので、今後一人でも多くの人に幹細胞の情報を知っていただき、活用していただきたいと思っています。
当機構は、そのために当サイトを通して、できる限り多くの情報を提供していきます。
また、今、目の前の問題を抱えている方からご相談をいただいた際には、少しでもお力になれるよう、個別でその方に応じた情報を提供をさせていただきます。
当機構の詳しい役割や、幹細胞に関する最重要事項はこちらの記事で解説しています。
是非一度ごらんください。